むし歯や歯周病になってから「治してもらう歯科」から、予防のために「悪くなる前に通う歯科」へと意識を変える方が増えてきました。予防歯科は、口の健康を守ることに加え、全身の健康維持や将来の健康寿命にも関わる大切な取り組みの一つです。しかし、「本当に通う意味があるの?」「デメリットはないの?」と迷う方もいるかもしれません。
今回は、予防歯科が健康寿命にどう関係するのか、全身の健康とどうつながるのか、そして実際のメリット・デメリットについて整理して解説します。
1. 健康寿命も延びる?予防歯科の重要性とは
最近、「歯が悪くなる前に通う」予防歯科の重要性が増してきています。その背景には「健康寿命」という考え方があります。健康寿命とは、日常生活を自立して過ごせる期間を指し、口の健康が全身の健康と密接に関わっていることがわかってきたことから、予防歯科の意義があらためて見直されています。ここでは、予防歯科のメリットについて解説していきます。
①しっかり噛めることが食生活の質を支える
年齢を重ねても自分の歯で食べられる状態を保つことで、食事から十分な栄養をとることが期待できます。栄養バランスの良い食生活は免疫力や筋力の維持にもつながるとされており、結果として体力の低下を防ぐ一因になるでしょう。
②口腔機能の低下に早く気づける
予防歯科では、むし歯や歯周病だけでなく、噛む力や飲み込む力の変化にも目を向けます。これらの機能が衰えると、誤嚥や低栄養などのリスクが高まるため、早期に気づいて対応することが、将来の健康維持に役立つ可能性があります。
③口の健康と全身疾患の関係が指摘されている
糖尿病、心疾患、誤嚥性肺炎などの全身疾患と歯周病の関係については、多くの報告があります。口腔内を清潔に保つことが、全身の炎症や細菌リスクの抑制につながります。
予防歯科は、口だけでなく身体全体の健康づくりにも関わる分野として重要視されるようになっています。将来の健康寿命を考える上で、その土台としての役割を果たすでしょう。
2. 予防歯科で行う治療内容
予防歯科というと「むし歯がないのに歯医者に行くの?」と感じる方もいるかもしれません。実際には、口腔内の健康を守るために多くの取り組みが行われています。ここでは、予防歯科で行われる主な内容についてご紹介します。
①口腔内チェックと定期検査
歯や歯ぐきの状態、噛み合わせ、磨き残しなどを確認し、むし歯や歯周病のリスクを評価します。初期段階で変化に気づくことで、早めの対応がしやすくなります。
②プロによるクリーニング(PMTC)
歯科衛生士などの専門スタッフが、専用の器具で歯石や着色汚れを取り除き、歯の表面を研磨します。セルフケアでは落としきれない部分まで清掃できるため、口腔内を衛生的に保ちやすくなります。
③フッ素塗布や歯みがき指導
歯の表面にフッ素を塗布することで、むし歯への抵抗力を高める処置が行われることがあります。また、磨き残しやすい場所を把握し、適切な歯みがき方法の指導が行われる場合もあります。
予防歯科では、「治療」ではなく「管理と習慣づけ」が重視されます。定期的な通院によって、口の健康状態を把握しやすくなり、将来的なトラブルを避ける一助となることが期待されます。
3. 予防歯科におけるデメリットと注意点
予防歯科は、むし歯や歯周病を未然に防ぎ、お口の健康を長く維持するために欠かせないケアです。しかし、良い面だけでなく、取り組むにあたって知っておきたい注意点もあります。
①通院の手間がかかる
予防歯科では、数か月ごとの定期検診やクリーニングが推奨されます。そのため、仕事や家庭の都合でスケジュール調整が難しい方にとっては、通院自体が負担になることがあります。
➁自由診療の費用が発生する場合がある
クリーニングやフッ素塗布など、予防目的の処置は一部が保険適用外となることもあります。とくに自費診療となる内容については、医院ごとに費用や提供内容が異なるため、事前の確認が必要です。
➂効果を実感しにくいことがある
予防歯科の成果は「病気にならないこと」であるため、通院していても目に見える変化を感じにくいという特徴があります。そのため、「効果がない」と思われることもありますが、実際には重症化を防いでいる可能性が高いでしょう。
予防歯科は、トラブルを未然に防ぐという目的の特性上、継続するモチベーションや費用面での理解が求められます。リスクや注意点も踏まえて、自分の生活スタイルに合った通い方を選ぶことが重要です。
4. 目白の歯医者 くじら歯科医院の予防歯科
目白駅から徒歩5分の歯医者「くじら歯科医院」ではむし歯や歯周病になる前にケアする『予防歯科』に力を入れています。歯は一度削ると元に戻りません。だからこそ、歯を守ることが将来の健康と笑顔につながります。
《くじら歯科医院の予防歯科の特徴》
■丁寧な診断と説明
まずは現在のお口の状態を把握し、むし歯・歯周病リスクを丁寧に診断。そのうえで、生活習慣や磨き方のクセを踏まえて、無理なく続けられる予防ケアをご提案します。
■痛みに配慮したメンテナンス
定期的なクリーニングでは、歯垢・歯石を除去し、むし歯になりにくいお口の環境を整えます。痛みに不安がある方も落ち着いてメンテナンスを受けていただけるよう、施術中は患者さんの反応を見ながら進めます。
■お子さんから大人まで対応
小児向け設備も充実しており、年齢やライフスタイルに合わせた予防歯科プランをご提案。将来を見据えたお口の健康づくりをサポートします。
■まずは定期検診から
「今は問題ない」という方こそ、ぜひ目白の歯医者 くじら歯科医院の予防歯科で定期的なチェックを。数年後の健康を守るために、今できることを一緒に始めましょう。
まとめ
予防歯科は、むし歯や歯周病を未然に防ぐことを目的とした通院スタイルであり、将来的な健康寿命や生活の質を維持する上でも大切な取り組みです。定期的なチェックや専門的なクリーニングを受けることで、口腔内のトラブルを早期に察知し、重症化を防ぐきっかけとなるでしょう。
通院の手間や費用、効果の実感しにくさなどに不安を感じる方もいるかもしれません。大切なのは、自分のライフスタイルや価値観に合った通院ペースを見つけ、無理なく続けていくことです。
目白駅周辺で予防歯科をご検討中の方は、くじら歯科医院までお気軽にご相談ください。患者さん一人ひとりの状況に合わせて、継続しやすい予防の取り組みをご提案いたします。
監修:くじら歯科医院
院長 小林重雄
経歴
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業(医学博士取得)
某大手医療法人歯科医院 勤務
いるか歯科医院 開業
【専門分野】
・エビデンスに基づいた治療
・歯科と全身の健康の関係性
・小児歯科・予防歯科
【メッセージ】
私は医学部大学院での研究を通じて、歯科と全身の健康の関係性について深く学びました。
その知識を活かし、単に歯を治療するだけでなく、全身の健康を考えた歯科医療を提供することを心がけています。
また、小児歯科においても、科学的なエビデンスに基づいた治療を行い、お子様の将来の健康を守るサポートをしています。
これからも研究と臨床の両面から、最適な歯科医療を提供できるよう努めてまいります。