子どもが転んだりぶつけたりして歯を失ったり、乳歯から永久歯への生え変わりの時期に見た目や噛む力について不安を感じる保護者の方は多いのではないでしょうか。小児歯科では、そうした場合に「仮歯」を使うことがあります。仮歯は大人の治療で使われるイメージが強いかもしれませんが、実は子どもにとっても大切な役割を持っています。
今回は、小児歯科における仮歯の役割や効果、そして実際に仮歯を装着するまでの流れについて解説します。
1. 小児歯科で使われる仮歯の役割とは
小児歯科で使われる仮歯は、永久歯が生え揃うまでの間に抜けた歯の代わりとして入れる人工の歯です。主に見た目の違和感を和らげ、子どもが笑顔や会話に自信を持ちやすくすることを目的に用いられます。
①見た目の違和感を軽減しやすい
前歯など目立つ場所の歯を失うと、子どもが見た目の変化を気にすることがあります。仮歯を入れることで、笑顔や会話に対する自信を保ちやすくなります。
②学校や友達との交流を自然にしやすい
会話や笑顔に抵抗がなくなり、日常生活のコミュニケーションもスムーズになります。さらに、友達とのやり取りでも口元を気にせず過ごせるため、集団生活の中で自信を持ちやすくなります。
③写真撮影などでも見た目が気になりにくい
学校行事や記念写真でも、口元を隠さずに笑えるようになり、思い出を残しやすくなります。また、家族や友人との写真にも自然な表情で写れるため、成長の記録をより明るいものにできます。
仮歯は一時的な処置ですが、子どもの見た目に配慮し、笑顔や会話に自信を持ちやすくするための大切なサポートといえます。
2. 小児歯科で仮歯が必要になるケースとその効果
仮歯が必要となるのは、むし歯で抜歯した場合だけでなく、転倒やスポーツ中のケガなど、予期せぬ外傷で歯を失ったときにも多く見られます。特に以下のような状況では、仮歯の装着が検討されることがあります。
①外傷で前歯を失った場合
前歯は見た目や発音に関わることが多いため、仮歯の重要性が高くなることがあります。保護者が心配されることも多く、心理的な支えになることもあります。
②乳歯を早期に抜かなければならなかった場合
むし歯の進行で乳歯を抜くことになった場合、永久歯が生えるまでの期間が長いと、歯のない状態が続きます。特に前歯の場合は見た目が気になることも多く、仮歯を装着することで自然な口元を保ちやすくなります。
③永久歯が生えるまで時間がかかると診断された場合
年齢や生え変わりの状況によっては、永久歯が出てくるまでに数年かかることもあります。その間、歯のない状態が続くことによる不便を減らすために、仮歯の使用する場合もあります。
仮歯はあくまでも一時的な処置ですが、日常生活のさまざまな不便を和らげる効果が期待でき、子どもの発育や心理面にも配慮した対応といえるでしょう。
3. 仮歯装着までの流れと通院回数の目安
小児歯科で扱う仮歯には、主に「貼り付けタイプ」と「取り外しタイプ」があります。状況や子どもの年齢、生活習慣に応じて適切な方法が選ばれます。
①貼り付けタイプの仮歯
接着剤で固定するタイプで、外れにくいため普段の生活に取り入れやすい方法です。前歯の見た目を整えるのによく用いられ、短期間で対応できます。ただし、強い力がかかると外れることもあるため、定期的なチェックが必要です。
②取り外しタイプの仮歯
入れ歯のように自分で取り外せるタイプです。奥歯の欠損や複数本の欠損に対応でき、食事や清掃もしやすいのが特徴です。ただし、慣れるまで違和感を覚えることもあります。
③装着までの流れ
仮歯の作製は、診察作製・装着というステップで進められます。簡易的な仮歯であれば、1回あたり10〜20分ほどで院内で作製・装着できます。
仮歯は一時的な処置ですが、子どもの見た目や日常生活のしやすさに配慮したサポートとして役立つ存在です。
4. 目白の歯医者 くじら歯科医院の小児歯科
目白の歯医者 くじら歯科医院では、お子さんがリラックスして治療を受けられるよう、痛みに配慮した小児歯科を心がけています。歯医者への恐怖心を和らげるため、表面麻酔や電動麻酔、レーザー治療などを活用し、お子さんに優しい治療を提供します。
虫歯予防に重点を置き、歯質を強化するフッ素塗布や、奥歯の溝を保護するシーラントを積極的に実施。また、お子さん一人ひとりに合わせた歯磨き指導を行い、ご家庭でのセルフケアもサポートします。
さらに、お子さんの成長に合わせた歯並びや噛み合わせの相談も受け付けており、早期発見・早期治療に努めています。3〜6ヶ月ごとの定期検診でお口の状態を継続的にチェックし、お子さんの大切な歯の健康を守ります。
安心して通えるよう、親しみやすいスタッフが対応し、待合室にはキッズスペースを用意しています。
目白周辺で小児歯科をお探しの方はくじら歯科医院までご相談ください。
まとめ
小児歯科での仮歯は、歯を失ったときに口元の印象を整えるために行われる処置です。転倒やむし歯で歯を失った際には、仮歯の装着で日常生活への影響を和らげる助けになることもあります。また、撮影やオーディション、舞台など、人前に立つ機会があるお子さんにとっては、口元を整えることで活動に取り組みやすくなる可能性があります。ただし、仮歯の使用が適しているかどうかは、お口の状態や年齢によって異なるため、歯医者での判断が必要です。
目白駅周辺で小児歯科や仮歯についてのご相談を希望される方は、くじら歯科医院までご相談ください。
監修:くじら歯科医院
院長 小林重雄
経歴
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業(医学博士取得)
某大手医療法人歯科医院 勤務
いるか歯科医院 開業
【専門分野】
・エビデンスに基づいた治療
・歯科と全身の健康の関係性
・小児歯科・予防歯科
【メッセージ】
私は医学部大学院での研究を通じて、歯科と全身の健康の関係性について深く学びました。
その知識を活かし、単に歯を治療するだけでなく、全身の健康を考えた歯科医療を提供することを心がけています。
また、小児歯科においても、科学的なエビデンスに基づいた治療を行い、お子様の将来の健康を守るサポートをしています。
これからも研究と臨床の両面から、最適な歯科医療を提供できるよう努めてまいります。