予防歯科

予防歯科は保険で受けられる?適用条件と主な治療内容を解説

最近では「予防歯科」という言葉を耳にすることが増えていますが、「保険が適用されるのか」「どんな処置が受けられるのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。予防を目的とした処置の一部は保険適用されるものもありますが、すべてが対象になるわけではありません。今回は、保険が使える予防処置と、保険適用外となる処置の違いについて解説します。

 

1. 予防歯科で保険が使えるケースと対象になる処置

予防歯科と聞くと、自由診療のイメージがあるかもしれませんが、実際には一定の条件下で保険が適用される処置も存在します。以下に、保険が適用される主なケースを整理します。

①歯周病の治療目的で行われる歯石除去

歯ぐきの炎症や出血、腫れなどの症状がある場合には、歯周病治療として歯石除去が保険適用の対象になります。検査で歯周ポケットの深さなどを確認したうえで、必要な範囲のスケーリング(歯石除去)を行います。

➁初期むし歯の管理のためのフッ素塗布

むし歯が進行するリスクがある場合や、特に子どものむし歯予防を目的とする場合には、フッ素塗布が保険で対応されることがあります。ただし、年齢や口腔内の状態によって一定の条件を満たす場合に保険算定されることがあります。

➂歯周病の再発予防を目的とした定期管理(SPT)

歯周病の治療が終了した後、再発を防ぐ目的で定期的なメンテナンスが行われます。これを「SPT(Supportive Periodontal Therapy:歯周病安定期治療)」と呼び、保険適用の対象となります。歯科医師や歯科衛生士による清掃や検査が中心です。

④むし歯や歯周病の進行リスクが高い場合の口腔衛生指導

生活習慣や口腔内の状態により、むし歯や歯周病の進行リスクが高いと判断された場合には、専門的なブラッシング指導や生活習慣の見直しに関する指導が保険内で受けられることもあります。

⑤義歯やブリッジなどの補綴装置の清掃指導

義歯(入れ歯)やブリッジなどの補綴装置がある方に対して、清掃方法の指導が保険適用となるケースがあります。口腔内を清潔に保つことが、装置の長期使用と健康維持につながります。

予防的な目的であっても、医学的に必要があると判断されれば、保険の適用対象となることがあります。

 
 

2. 保険適用外になる予防歯科の治療内容

見た目の改善や快適さを目的とした予防処置の多くは、保険の適用外となり自費診療で行われます。以下に、保険適用外となることが多い主な予防処置を整理します。

①クリーニング(PMTC)

PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科衛生士が専用の器具を使って歯の表面を磨き上げ、バイオフィルム(細菌の膜)や着色汚れを除去する処置です。むし歯や歯周病などの症状がなく、見た目の向上や爽快感を目的とする場合は自費診療となります。ただし、歯周病の治療後に再発防止のために行うクリーニングは、「歯周病安定期治療(SPT)」として保険適用されることがあります。

➁成人のフッ素塗布

むし歯のリスクが明確に認められない場合や、本人の希望により予防目的で行う成人のフッ素塗布は自費診療となります。症状がなくても定期的に受けたい方もいますが、保険診療の範囲外であることが多いため、事前に確認が必要です。

③審美目的の処置

ホワイトニングや歯の表面の着色除去など、美観を目的とした処置は、むし歯や歯周病の治療とは異なるため、保険適用の対象とはなりません。

④口臭予防・唾液検査などの検査系サービス

近年、口臭や唾液検査によるむし歯・歯周病のリスク評価に関心が高まっていますが、これらの検査や予防プログラムは、健康保険の対象ではなく、原則として自費治療になる可能性があります。

このように、症状がない状態で「予防」を目的として受ける処置の多くは保険の適用外となることが多いです。処置を受ける前に、内容や費用、保険の取り扱いについて十分な説明を受けるようにしましょう。

 
 

3. 保険診療と自費診療を組み合わせるときの注意点

予防歯科では、保険診療と自費診療を併用するケースもあります。両者の違いを理解しておくことで、費用面や治療内容に関する誤解を防ぎやすくなります。

①同日に保険診療と自費診療を併用できないことがある

医療制度上、保険診療と自費診療を同時に行う「混合診療」は原則として認められていません。そのため、むし歯の治療(保険)とホワイトニング(自費)を同じ日に受けることはできず、別日での対応を求められることがあります。

➁事前に費用の説明を受けることが大切

保険外の処置を提案された場合、内容や費用、リスクについて丁寧な説明を受けたうえで、自分の意思で選択する必要があります。費用が発生するタイミングや、追加処置の有無などについても確認しておくと納得しやすくなります。

➂希望する内容によってはすべて自費になることもある

「歯を白くしたい」「ツルツルにしたい」など、見た目や仕上がりの質を重視したい場合は、保険適用外となる場合が多いです。たとえば、ホワイトニングなどは完全自費になります。健康維持を目的とした保険診療と、審美的ニーズに応える自費診療の違いを理解しておきましょう。

④定期メンテナンスは内容により分けて受ける

治療後のメンテナンスは、歯周病の再発防止を目的とした保険診療として受けられることもあれば、クリーニングやステイン除去などは自費での対応になります。内容によって分けて予約を取ることで、制度のルールに則った受診が可能です。

治療内容を十分に把握し、納得のうえで受診することが大切です。保険と自費の両方の特徴を理解し、自分に合った方法を検討しましょう。

 
 

4. 目白の歯医者 目白くじら歯科の予防歯科

目白駅から徒歩5分の歯医者「目白くじら歯科」ではむし歯や歯周病になる前にケアする『予防歯科』に力を入れています。歯は一度削ると元に戻りません。だからこそ、歯を守ることが将来の健康と笑顔につながります。

《目白くじら歯科の予防歯科の特徴》

■丁寧な診断と説明

まずは現在のお口の状態を把握し、むし歯・歯周病リスクを丁寧に診断。そのうえで、生活習慣や磨き方のクセを踏まえて、無理なく続けられる予防ケアをご提案します。

■痛みに配慮したメンテナンス

定期的なクリーニングでは、歯垢・歯石を除去し、むし歯になりにくいお口の環境を整えます。痛みに不安がある方も落ち着いてメンテナンスを受けていただけるよう、施術中は患者さんの反応を見ながら進めます。

■お子さんから大人まで対応

小児向け設備も充実しており、年齢やライフスタイルに合わせた予防歯科プランをご提案。将来を見据えたお口の健康づくりをサポートします。

■まずは定期検診から

「今は問題ない」という方こそ、ぜひ目白の歯医者 目白くじら歯科の予防歯科で定期的なチェックを。数年後の健康を守るために、今できることを一緒に始めましょう。

▼目白くじら歯科の予防歯科の詳細はこちら

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まとめ

予防歯科は保険の範囲内で受けられる処置もありますが、状態や目的によっては自費診療となる場合もあります。保険診療と自費診療を正しく理解し、必要な処置を無理なく継続することが、健康なお口を保つ秘訣です。
予防歯科についてお悩みの方は目白の歯医者 目白くじら歯科までお問い合わせ下さい。


 

監修:目白くじら歯科
院長 小林重雄
経歴
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学医学部大学院卒業(医学博士取得)
某大手医療法人歯科医院 勤務
いるか歯科医院 開業

【専門分野】
・エビデンスに基づいた治療
・歯科と全身の健康の関係性
・小児歯科・予防歯科

【メッセージ】
私は医学部大学院での研究を通じて、歯科と全身の健康の関係性について深く学びました。
その知識を活かし、単に歯を治療するだけでなく、全身の健康を考えた歯科医療を提供することを心がけています。
また、小児歯科においても、科学的なエビデンスに基づいた治療を行い、お子様の将来の健康を守るサポートをしています。
これからも研究と臨床の両面から、最適な歯科医療を提供できるよう努めてまいります。

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